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Magic in the air

忘備録

おねがいマイメロディから入るバイオリンクラシック

おねがいマイメロディのブルーレイボックスが発売され、イベントもつい先日終わったばかり。
このブログが数年後に発掘され「そんなイベントあったんかい!」と言われる事を願って、そして「イベントの事話さないんかい!」と将来怒り狂ってモニターを叩き割られることを願いながら、全然全くイベントと関係ない柊恵一のバイオリンアルバム「The Devil's Trill」の事でも書き起こす。
音楽にもクラシックにも強くない自分の為のお勉強メモです。考察ではなく、調べた事をまとめているだけ。

ブルーレイ販売記念イベントは良かったです。レポートにしようかどうか悩んでるがロクな事書かないしなあ。

以下、続きから。文字色が薄いのは注釈やメモ、私の個人的な意見です。


おねがいマイメロディ 柊恵一 ヴァイオリンソロアルバム「The Devil's Trill」
2006年発売 全9曲
アニメ「おねがいマイメロディ」に登場するキャラクター、柊恵一が演奏するバイオリンのアルバム。

バイオリン演奏:長原幸太
この方は有名な方なんですね。数々の受賞歴、コンサートマスターなどをされているようです。まさに超絶技巧。
CDのブックレットには雰囲気重視(つまり柊恵一が演奏しているという事)のために名前は載っていません。載せるべきだった。私がめっちゃ血眼で調べる手間が省ける。

キャラクターソングでは無い為、歌・セリフ等一切無し。最初から最後までバイオリンとピアノの伴奏。アニメの作中で使用した曲も入っている、そういう意味でもクラシック入門になる良いアルバム。

夢の幕間~柊のテーマ~

アルバム内唯一のオリジナル曲。メロディキーを充填する時に柊恵一がよく弾いている。読み方はマクマ。
この曲でグランプリ受賞したそうな。ブランコビッチ作曲(1期26話「カレと踊れたらイイナ!」)(作曲者うんぬんは適当でしょう笑)
「夢の幕間」は、このアルバムに入っているゆっくり不穏なバージョンと、「美・Guilty」やクルミ・ヌイ回で使われた軽やかで華やかなバージョンの2パターンが存在。悪夢魔法発動の際に流れる「夢の扉が開くとき」はこの曲のショートバージョン。

美・Guiltyに挟まってる方の夢の幕間も好きなんだけど、これは第1部第2部とかの扱いで同じ曲の中なのか、それとも別の曲なのか、みたいな事を考えてしまいます。
メロディボウで弾けば何の曲でも充填されるだろうに、1期は本当にこれしか弾いてない。手癖なんだろうか。グランプリのために練習でもしてたんだろうか。柊恵一が作曲したと思っていたので、他人が作曲した設定には驚きました。


ツィゴイネルワイゼン

スペインのバイオリニスト、パブロ・デ・サラサーテによる作曲。1878年
「ジプシーの旋律」という意味。(Zigeuner:ジプシー weisen:旋律)
作中にはジプシー舞曲やハンガリー民謡などが登場ハンガリーの音楽はほぼジプシーに関連する為)

全3部から成り立つ曲。
第1部:ハ短調4分の4拍子Moderato(程よい速さ)
 劇的で派手な出だしが印象的で、聞くと結構知ってるとなる率が高い。
第2部:ハ短調4分の2拍子Un peu plus lent(今までより少し遅く)
 ハンガリー民謡を題材としている。逆付点の旋律。
第3部:イ短調4分の2拍子Allegro molto vivace(より快活に速く)
 突然テンポが上がり、曲調がガラッと変わる。
 アニメで使われたのはこの部分(2期25話「ギャフンて言ったらイイナ!」)

柊恵一関連でクラシック、特にヴァイオリンの音楽を聞くようになってから初めて知った曲。なので、クラシック界でこの曲の知名度には平伏します。色んなCDを聞けば聞くほど出てくる。
第2部の哀愁感などが、ウサミミ仮面という悲劇を背負いナルシシズムに暮れる柊恵一ぽくて好きです。ウサミミ仮面の「夕陽のマリオネット」みたいな感じ。


シャコンヌ ト短調

イタリアのバイオリニスト、トマソ・アントニオ・ヴィターリによる作曲(と言われているが、別人説も存在)
シャコンヌはスペインを発祥とし、17世紀から18世紀に流行した舞曲のこと。3拍子を基本とし、同じ旋律を何度も何度も繰り返し反復させながらも段々と音を変化させていく。

こんなに切なく甘い響きの曲を今まで聞いた事がなかったので雷に打たれたような気分でした。とても美しい曲。ロマンチックで悲劇的な恋のイメージがあります。バイオリンの1音目の叫ぶような音色から惹き込まれてしまう。この曲がお気に入りすぎて聞きまくった。ハイフェッツ演奏のオルガン伴奏版と、オイストラフ演奏ピアノ伴奏、このどちらも甲乙付けがたい。
柊恵一には全く似合わない曲なのだが、それがまた、かなり良い。おねがいマイメロディ制作陣さん、何でこの曲を入れたの?もしかして作中で使ってるのかな。何にせよヴィターリのシャコンヌを知る機会が出来て本当に良かったです。有難う。


スケルツォ=タランテラ

ポーランドバイオリニスト、ヘンリク・ヴィエニャフスキによる作曲。
ト短調8分の6拍子の3部形式。
Scherzo:イタリア語「軽快な曲」「冗談」。諧謔曲。軽やかにテンポが速い曲のことで、急・緩・急の3部で成り立つ場合が多い。
tarantella:イタリアナポリの舞曲。8分の3拍子または8分の6拍子。タランチュラに噛まれた際、毒を抜くために踊り続けなければならない事から由来され、休みなく踊るような激しい曲の形式を指す。(もしくは町の名タラントが由来)

スケルツォという名に相応しく、この曲も急・緩・急で構成されている。1部の軽快で華やかな主題を3部でリフレイン。2部は主題の反復である3部を目立たせるため、牧歌的で穏やかではあるが優雅。
アニメでは柊恵一が暴走する永代橋に向けて演奏。永代橋先生のお気に入りの1曲(2期21話「バイオリンがきけたらイイナ!」)

この曲は聴いた時の華々しさに比例して非常に技巧的な曲作りとなっているらしく、演奏者の技術が求められる難しい曲だそうです。確かに素人が聞いていても凄い難しそうだなというイメージ。優美な曲を演奏するには大変な努力が必要なんですね。
華々しく美しい旋律が繰り返されるこの曲は柊恵一に似合っていると思います。難易度も含めて。


プレリュードとアレグロ

オーストリアのバイオリニスト、フリッツ・クライスラーによる作曲。
「プニャーニ様式による前奏曲とアレグロ」というのが正式名(イタリアバイオリニスト、ガエターノ・プニャーニの未発表作品を編曲したと偽り、後に自作であると認めた。逆偽作・逆盗作事件。プニャーニ風には作曲されているものの、クライスラー本人による作曲)
Prelude:前奏曲。他の曲の前に演奏する曲。後に、演奏の技巧を発揮し、自由で独創的、即興的な作風を示す意味として独立した。
Allegro:音楽用語「速く」

前奏曲部分、冒頭6小節24拍がミとシで成り立つ。重厚な前奏曲から始まり、軽快なアレグロのクライマックスへと続く、劇的で壮大な曲。

難易度的にはそこまででは無い、と聞きますが、それにしても聴き応えのある曲です。変化に富んでいるので、クラシックがドドド素人でもかなり楽しめました。
壮大で格調高く堂々とした印象の冒頭。そして気品のあるアレグロに入り、不穏な伴奏の1点から流れ着くクライマックスの力強さ。なんて柊恵一らしい曲なんだろう!この曲がセットリストに入っているのも納得。


伝説曲 Op.17

スケルツォ・タランテラ」と同じく、ヘンリク・ヴィエニャフスキが作曲。この曲は「レゲンデ」(Legende)と呼ばれる事も。作品番号17番。
ヴィエニャフスキは婚約相手の親に猛反対されていたが、この伝説曲を弾いた事で婚約をOKされた。

あまり調べても詳しい事が出てこないミステリアスな曲。
最初は何だか不穏なイメージなのに、いつの間にか甘く穏やかな音色に変わる。そして甘さは少しずつ激しさと切なさを伴い、泣いているような悲鳴を上げたのちに、再び冒頭の不穏さを抱えたまま美しく去っていく。
物語のような流れのある作品。どんな気持ちで作曲したのかが気になります。解釈によって演奏表現がまるで違うというのも、クラシックの楽しみ方なんですね。


24のキャプリース 作品1 第13番 ト短調

イタリアのバイオリニスト、ニコロ・パガニーニによる作曲。彼の卓越したヴァイオリン演奏は、「悪魔に魂を売り渡した」と噂されるほど。
「24の奇想曲」はヴァイオリン独奏曲で無伴奏の24曲の集まり。
caprice:イタリア語Capriccio。気まぐれで、形式に囚われない曲。
そしてその中の第13番は、冒頭の音色から「悪魔の微笑み」と呼ばれている。

柊恵一は実に「悪魔」関連をセレクトされているんだなあと思う一曲(次の曲が端的ですが)。悪魔の微笑みというあだ名の通り、綺麗と不気味が同時に存在する曲。
高音で激しい演奏が多いと、素人的には「弦とか切れないの…!?」と思います。そういうのも技術面の1つなんでしょうか。


悪魔のトリル

イタリアのヴァイオリニスト、ジュゼッペ・タルティーニによる作曲。
ヴァイオリンソナタ ト短調。全第3楽章。
Trill:ある音とその2度上の補助音を素早く交互に小刻みで反復する事。
夢の中に出てきた悪魔が素晴らしく美しいソナタを弾き、目覚めたタルティーニが慌てて楽譜に残した、という逸話がある。

第1楽章Larghetto Affettuoso(やや遅く、優しく)
 8分の12拍子。2部形式。シチリアーノ風の哀愁ある曲。
第2楽章Allegro(快活に速く)
 4分の2拍子。2部形式。快活で明るい印象。
第3楽章Grave:Allegro assai:Grave:Allegro assai:Grave:Allegro assai:Cadenza:Adagio(重々しく/かなり速く/休止/遅く)
 4分の4拍子の重々しい部分と、4分の2拍子の情熱的な部分が交互に演奏される。
 3回あるAllegro assaiそれぞれに悪魔のトリルが入る。

この曲は悪魔的とも言えるその美しさにももちろん大変な魅力がありますが、おねがいマイメロディファンとしては逸話にかなり重要なポイントがあります。

「1713年のある夜、私(タルティーニ)は夢の中で魂と引き換えに悪魔と契約した。望むものはすべて叶い、悪魔も私の望みをすべて分かっていた。
私はふと思いつき、悪魔にヴァイオリンを弾いてみるよう手渡してみたところ、それはそれは素晴らしいソナタの演奏を披露し、私は大変驚愕させられた。その演奏は優れた技術と知性に満ち溢れ、この世の物とも思えぬ美しい演奏は私を魅了し、たちまちのうちに私の心を虜にした。
あまりの美しさに息を詰まらせた私はハッと目が覚めると、急いで飛び起きてヴァイオリンをつかむと、夢で聴いた悪魔のソナタを再現しようと慌ててメロディを奏で始めた。ここで作曲されたソナタは私のいままでのどの作品よりも素晴らしい曲となり、私はこの作品を「悪魔のトリル」と名付けることとした。」

柊恵一とダークパワーの精の関係と全く同じ(1期のダーちゃんさんにはかなりラスボスの風格がありました笑)そりゃ~~~アルバムのタイトルに持ってくるよな~~!!!
柊恵一も集まりかけていた音符でできた途中作の楽譜を見ただけで、その曲に魅了され、更に黒音符を集める事に没頭するようになります。実際、ダークパワーの曲は彼に言わせると「聞いた事が無いだけで、楽譜としては滅茶苦茶な美しくもない曲」だったのですが。
悪魔のトリルはとても美しい曲ですね。最後の泣き叫ぶ悲鳴にも聞こえる程の劇的なクライマックスには圧倒。しかし残念な事に、素人にはトリル部分がどこなのか分かりません。無念、精進すべし。


タイスの瞑想曲

フランスの作曲家、ジュール・マスネによる作曲。歌劇「タイス」第2幕の第1場と第2場の間奏曲。
3部形式でAndante religioso(敬虔に歩くようなテンポで)

古代エジプトが舞台の歌劇「タイス」。
タイスは大変な美しい高級遊女だが快楽主義者。修道士アタナエルはそんな彼女を宗教の道へ歩ませるために説得をする。アタナエルの説得に心が揺れ動き、神への道へと踏み入る決意をするシーンで流れるのがこの曲。

そしてタイスは決意し、神の道へ。一方修道士であるアタナエルはタイスに恋をしてしまう。アタナエルが宗教と肉欲との葛藤に苦しむ内に、タイスは祈りに身を捧げ、本物の神の元へ。アタナエルの愛の言葉はタイスには届かない。
娼婦が殉教し、修道士が官能へ。本物の愛とは精神的なものなのか、肉体も含めるのか、そんな悩みを描いた作品ですね。「タイスの瞑想曲」はタイスの心情を描いています。悩みながらも、ゆっくり、ゆっくりと穏やかに決意する強さのある、甘美な曲。
おねがいマイメロディでは、ウサミミ召喚をしないという約束を交わし上機嫌な柊恵一が演奏(3期22話「ヒツジ村ですっきり!?」)
タイスの瞑想曲の背景を考えると柊恵一が弾くのは何だか似合わないのですが、神に感謝するほど大喜びしているようにも思えて、それはそれで今後の展開に深みが増す。

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