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Magic in the air

忘備録

タイピスト!

見た映画がかなり面白かったので、ブログっぽく、本とか映画とかの感想でもしようかなと思いまして。3日坊主にならないと良いのですが。

タイピスト

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原題「Populaire」
2012年公開のフランス映画。主演デボラ・フランソワ(ローズ・パンフィル役)、ロマン・デュリス(ルイ・エシャール役)。
1958年のフランスが舞台。何も取り柄のない田舎娘ローズ・パンフィルは、田舎から出るためにルイ・エシャールが経営する保険会社の秘書の面接を受ける。そこでタイプライターの早打ちの才能を認められ、ルイから猛特訓を受ける事に。タイプライター早打ち大会の優勝を目指す2人は、喧嘩をしたりロマンスがあったり、なかったり……。


以下、感想です。


初めて見たフランスの映画。これが初めてで良かったかも。フランス文学、フランス映画といえばジットリ気味な恋愛……、という偏見なんだが、こちらはどちらかと言えば旅行に行くときのフランスのイメージに似ているかも。つまり「オシャレ!恋愛!」みたいな。
まさにそれを凝縮したような、50年代のファッション・デザイン・音楽がドッと出て来る、サクセスストーリーとラブコメディ。

オープニング

オープニングから既にオシャレで、もうこれだけで心を掴まれる。
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同じ商業美術の仲間として、タイポグラフィグラフィックデザインは深い仲。色数を押さえたミニマルなデザインは1960年代から芽吹き始めます。
ちょっと渋めで濁っている色がレトロな雰囲気。オシャレ。可愛い。

ファッション

先程のポスターもそうなんだが、主人公ローズの指にカラフルなネイルがされています。緑・赤・黄色・青。こちらの色使いもどちらかといえばレトロポップで、やっぱりとても可愛い。
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このネイルは、タイプライターに塗られている色と一緒。
というのも
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2本指で打っていた(しかも爆速)ローズに「10本指で打て!」とルイが塗らせたネイルだったから。こういう指導どっかで見たことある。

秘書をしながらタイプライター大会優勝を目指すローズ。劇中で職場に来たお客さんに「秘書なのに何あの派手なネイル……」みたいな目で見られ、ルイが「パリで流行しているんですよ」と嘘を吐くシーンがあります。
ネイルもタイプライターの色も、後半には必要無いからとリムーバーで落とされるのですが、ローズが優勝した為にフランスではそのネイルが大流行。本当に、皆が皆、あのヘンテコなカラーリングのネイルをしている!という所まで、かなり長く使われる設定です。
それにしてもうーん可愛いね、可愛い。

キャラクター

キャラクターがもちろん魅力的。可愛いしイケメンだし。

ヒロインのローズ・パンフィルは、田舎で父親の小売店を手伝いする女性。タイプライターを打つ事が好き。2本指でF1レーサー並の速度で打てる。10本になった後半の大会はもはや恐ろしい競技と化している。でもそれ以外特にこれといって自慢する事も無い。重要な書類をシュレッダーにかけるし、自転車で大ゴケするし。だけど自分の意思をしっかりと持っている女性。男性にビンタしたりタイプライターの改行で股間を狙ったり、ルイのパパにだってちゃんと物を言う。怒るとタイプライターの速度が上がる。
 フランス大会優勝後の着飾ったローズは確かに可愛いけど、視聴者の「田舎ぽい方が可愛かったなぁ……」という心をグッと掴む。タバコを無理に吸って強がる姿は愛らしくいじらしい。
 ちなみに、この映画では何度も何度もタイプライターを打つシーンが出てきているのですが、本当に女優さんが特訓をして撮影に挑んだそう。あの2本指もそうなのか……、2本指だけでめっちゃ早いけど……。

ヒーローはルイ・エシャール。フランス人らしい色男。保険屋の社長さん。黒髪のオールバックがいつも決まってる。タバコ吸う。テニスもする。運動がかなりできる設定。出兵した事があり、生きて帰ってきた。凄い設定もりもりだなあ最高か。
 ローズの才能に気付き、彼女をタイプライター早打ち大会で優勝させる!と決めてからは鬼コーチっぷりを見せる。自分の家に下宿させ、難しい本を内容はどうでもいいからとにかく打ち込みさせ、10本指の滑らかな運動のためにピアノもやらせ、体力の為にランニングもやらせる。その分、料理は自分が。この料理している時の、ワイシャツにエプロンという姿がまた最高に格好いい。
 こーんなに設定もりもりなのに、優勝したローズから身を引いて去ってしまう、という設定を更に盛る。最初は「コーチは選手と寝ない」って言ってたのに、後半で「寝たのは君を優勝させる為だった」という見え透いた嘘を吐くのが、また悶えさせます。

おまとめ

ストーリーとしては本当に王道なラブストーリー。田舎から出てきた気の強いヒロインと、金持ちのヒーロー、気の合わない2人が段々惹かれていくが挫折、それを乗り越えハッピーエンド。
それを繋ぐ細かなコメディタッチのシーンが、本当に面白い。ルイがブラジャーを見つけてしまって、ローズの部屋まで戻しに行くシーンとか。

ルロイ・アンダーソンが作った「タイプライター」という有名な音楽がありますが、タイプライターの打鍵音は心地いいですね。この映画でもそんな、カタカタカタ、チーン、ダーン!という音が沢山出てきます。映画では爆速タイピングばかりで、クラシック音楽のように陽気ではないんだけど(笑)
タイプライター早打ち大会という、今では考えられないようなものを映画にして絵になるのは、やはりタイプライターの魅力のおかげかな?

とても可愛くてオシャレで楽しい映画だった。また見ます。

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