Magic in the air

忘備録

TBSラジオ 有馬隼人とラジオと山瀬まみと稲垣理一郎と

2017年12月22日のTBSラジオ「有馬隼人とらじおと山瀬まみと」のゲストに稲垣理一郎先生がご出演されました。これはインターネット放送radikoからの引用になります。
このページは数日先、数年先、数十年先のアイシールド21ファン・稲垣理一郎先生ファンの為に残すためのものであり、商用利用目的・営利目的では一切ありません。また、このページの転載を禁じます。


有馬さんの穏やかな喋り方と山瀬さんの可愛い反応がほのぼのとするラジオでした。稲垣さんの声がまったりしていて、親しみやすいかたなんだなぁという印象。3人の面白い会話が文中では表現しきれない気がします。気合で音源を聞いてください。
ラジオ中でも仰っていますが、私もアイシールド21からアニメ、そしてNFLライスボウルという本物のアメフトを見るようになったドンピシャ世代なので、アメフトクリニックや解説をなさっている有馬さんには一方的な親しみを感じます。いいラジオでした。
山瀬まみさんは両足骨折なさっていたんですが、治ったみたいで良かったです。志村動物園でよく見かけていたので、こちらにもやはり一方的な親しみ。
稲垣先生の新連載Dr.STONEも非常に面白いので続きが楽しみです。

まぁ私の話はどうでも良いですね。以下、続きからです。




TBSラジオ有馬隼人とラジオと山瀬まみ稲垣理一郎
文字色が薄いのは注釈です。


有馬「さぁ今お声を聞いていただきました稲垣理一郎さん。人気アメフト漫画『アイシールド21』の原作者。漫画もお描きになるんですが、アイシールド21では原作者の稲垣理一郎さん。本当ね、20代30代、40代もそうかな?アイシールド21は2002年から2009年に週刊少年ジャンプで連載されておりました、アメリカンフットボール漫画でございます。大人気でね、原作全37巻、累計発行部数2000万部以上!で、テレビも3年間かな?テレビアニメ、テレビ東京で3年間放送されたんですよ。これなかなか無いことで、もちろんね、長編のものは、いわゆるサザエさんとかドラえもんとかそういうのは別として、何年間、大体1年放送されると長いって言われるんですよ」
山瀬「そうだよね。大体2クールぐらい?」
有馬「そう、半年で終わるかね。3年間アニメが放映され続けたというのは、とても人気があったというのが分かると思いますけどね。私もアニメ化されたときにちょっとお邪魔して」
山瀬「声優さん?」
有馬「2話ほど。有馬隼人というキャラクターが登場しております」
山瀬「その音源あとで出してくれるの?」
有馬「そう、超下手くそなの(笑)」
山瀬「超楽しみなんだけど!」
有馬「下手くそだからあんまり聞きたくないんだけど(笑)、あるみたいですよ、音源も。さぁ稲垣理一郎さんにアイシールド21、まずこのアメフト漫画をどうやって生み出したのか、なぜ生み出そうと思ったのか、色々訊いてみたいと思います」

有馬「さあここからはゲストをお迎えして、『ゲストにまつわる○○と』というトークテーマをお話伺っていきます。『有馬隼人とラジオと山瀬まみとゲストと』のコーナーです。今朝は漫画家で原作者の稲垣理一郎さんをお迎えしました。よろしくお願いします」
山瀬「お願いします」
稲垣「お願いします」
有馬「稲垣さんとはですね、えー、アイシールド21がテレビアニメで放映していた頃ですから、もう10年以上も前ですか?」
稲垣「そうですね、もうだいぶご無沙汰しております」
有馬「ご無沙汰しております」
山瀬「声優さんのときに会って?」
有馬「のときもですし、ちょっとしたパーティーがあって(笑)」
稲垣「ちょっとしたパーティー(笑)」
有馬「アイシールドアニメのパーティーが。声優の皆さんとかと一緒にね」
稲垣「そうですね」
有馬「集まって。そのときに声優でロンドンブーツの田村淳さんヒル魔妖一役)とか、中川翔子さん(瀧鈴音役)とか。ほんとね!当時は若手だったけど、入野自由くん(小早川セナ役)ね。今はトップ声優の入野自由くんだったりとか、平野綾ちゃん(姉崎まもり役)とか。超豪華声優陣!」
稲垣「今考えるとそうですね」
有馬「ね!山口勝平さん(雷門太郎役)とか。声優界のトップが揃ってまして。それで、アニメもだって、かなり良い時間にやってましたよね?」
稲垣「19時からじゃなかったですかね?」
有馬「ゴールデンでやってまして。数字もね、当時6パーとか7パーとか叩いたんじゃないですか」
稲垣「それちょっと僕素人なので高いか低いか、素人なんで分かんないんですけども(笑)」
有馬「パーセンテージすごい高かったはずなんですよ」
山瀬「ふーん」

有馬「それでアニメのときにはね、自分の話で申し訳ないんですけど(笑)、アメフトクリニックっていうの出させていただいて。私が実写でアメフトのテクニックとかを紹介するミニコーナーを挟ましていただいてまして。で、連載は2002年から始まってたんですが、アニメ化されたのは2005年。3年間。ほんとね、人気の足が長かったですよね」
稲垣「そうなんですかね、ちょっと自分のことなんで分からないですけれども(笑)」
有馬「でもアメフト漫画をなぜ描こうと思ったのか、皆さんの一番疑問に思うところだと思うんですよ」
山瀬「うんうん。そんなメジャーなスポーツじゃないから、みたいな?」
有馬「メジャーなスポーツじゃないし、防具は描きにくいし、ストーリーを説明するのも結構たいへんでしょ?」
稲垣「そうですね。ただ、ちょっといやらしいこと言うと、当時アメフト漫画ってほとんどなかったんで、これ出したらウケやすいんじゃないか、みたいなちょっといやらしい計算もあったりとか(笑)。でもそれ以前に、それだけじゃ描けないですから。それ以前に僕が単純にアメフトが好きだったっていうのが一番の理由ですけれど」
有馬「最初からけっこうアメフトが好きだったんですか?」
稲垣「実は僕、高校生ぐらいまでルールも知らない……いやこれ聞いてらっしゃるかたもルールも知らないってかたも結構いらっしゃると思うんですけれども、僕も高校ぐらいまでルールも知らなかったんですよ。ちょっとすいません話長くなっちゃうんですけど。僕NBAが好きで」
有馬「バスケットボール!」
稲垣「そうです。当時スラムダンクとかがすごい流行っててですね、で、NBA見たらすごい楽しくて、BSテレビとかでNBAがやってたのかな?でもたまに違うスポーツがやってるんですよね。NBAがなくて。『なんかよく分かんない防具着てガシャガシャぶつかってる、なんだこれつまんねー、ルールも分かんねー』と思いながら。でもNBAやってないからしょうがなく見てたら、これがね面白いんですね。それで好きになって。最終的に漫画を描くに至るとは当時思いもよらなかったですね」
山瀬「ご自身は一切やってないんですか?」
稲垣「それ僕ずっとナイショにしてたんですよ。今ここで初めて言いますけど、僕、未経験です!(笑)」
山瀬「ごめん(笑)。見てるのが好きなだけ」
稲垣「そうですね、それ言うとちょっと漫画のファンのかたに悪影響かなって思って、ずっとナイショにしてたんですけど、僕、未経験です」
山瀬「やっちまった(笑)」

有馬「それでそのストーリーキングっていうね、いわゆる脚本といいますか原作を評価する大賞をお取りになったっていうことですよね」
稲垣「そうですね。当時原作賞っていうのがありまして、原作つっても分からないかもしれないんですけれども、漫画ひとりで描かれてるかたがまぁほとんどだと思うんですけれども」
有馬「ストーリー作って自分で絵を描いて」
稲垣「はい。僕のこのアイシールド21っていう漫画の場合は、原作・作画ってのが別れてまして、そういう漫画も結構あるんですが、僕はその原作っていう絵を描かない、お話だけを作るほうですね。その賞のストーリーキングっていう賞があったんですよ。原作賞の」
有馬「それで、アイシールド21、アメフトを持ってきて」
稲垣「あ、そうです!それを応募したら賞を取ったっていう感じです」
有馬「これ高校生のアメフト部のお話なんですけど。小早川瀬那という主人公がですね、えー、まぁ非常に体も小さくて、スポーツなんかできない、パシリって分かります?」
山瀬「パシリ!子供の頃から」
有馬「子供の頃からパシリ一筋で。パシリに使われるときの足の速さはとてつもないと。っていうのが特徴の男の子」
稲垣「まぁ今考えると無茶苦茶な設定ですけどね!(笑)」
有馬「で、その子に目をつけたヒル魔というアメフト部部員がですね、『あ、あの足の速さ、すばしっこさを活かせんじゃねーか』というところからお話が始まるんですよね」
稲垣「そうですね、それが第一話ですね」
有馬「ですんで、アメフトの特徴でもあるんですけど、例えばこう、体が小さくて動きの素早い子だったりとか。逆にもう体が大きくてぶつかるのが強いそれだけの子だったりとか。蹴るのが得意だってだけ、走れないけど蹴れますよ、とか。1つの特徴を活かしてチームを作っていくっていうところから始まるんですよね」
稲垣「一芸に秀でてればなんとかなるみたいなところが漫画に向いているかなって思って、作ってみました」
山瀬「この主人公のセナくんが全然アメフトのことを分からずにやってるから、やっぱ読みやすいっていうか入りやすいですよね!アメフト私分かんないけど、ああ楽しい、みたいな」
有馬「まみさんも今回漫画を読んでいただいて」
山瀬「読んできた!続きが読みたくなっちゃった」
稲垣「ええ!ありがとうございます」

有馬「でもこのね、1巻の最初に、その『幼い頃から作戦を立てるのが大好きだった。作戦を元にパワーとスピードで敵を倒していく、アメフトはそんなスポーツです。アメフトの知識がなくても大丈夫です。主人公もルール知りませんから』って書いてあるんですけど、ここに結構全てが集約されているなと思って」
稲垣「最初にちょっと概要を示さないとルール分からない人読んでくれないかなぁって思って。なんか分かりそうな感じに書きました」
有馬「ただほら世の中アメフト知らない人のほうが圧倒的多数の中でね?そりゃキャプテン翼でサッカー始めたとか、スラムダンクでバスケット好きになったとかいう人はたくさんいるけど、比較的身近なスポーツでしょ、サッカーもバスケも学校でできるし。で、アメフトってすぐにはできないでしょ。ヘルメットもいるし、広いフィールドもいるし」
山瀬「あとラグビーと被るんだよね」
有馬「そうそうそう」
稲垣「みんなね、ラグビーとごっちゃにしますね」
稲垣「この連載されていた週刊少年ジャンプの期間が2002年から2009年まで、333話、単行本が37巻、先程申し上げた累計発行部数2000万部売り上げてますと。で、アニメが2005年から2008年だったんですけど、その連載が終わった頃、2009年の関東高校アメリカンフットボール連盟の登録人数が2倍近くなってると」
山瀬「すごーい」
稲垣「そうなんですか!?嬉しいですね」
有馬「首都圏だけでも2倍ぐらい。全国でも1.5倍から2倍ぐらい増やしたという、稲垣さんの力。それで僕さっきも言ったんですけど、今ね、20代前半から後半、30代、アイシールドの影響をなんらか受けてアメフト始めました、頑張りました、っていう子たちが多いんですよ。で、僕もその子たちに覚えてもらってるんで、アイシールド見てましたとか、あれのおかげで始めたんですって言ってくれる子が多いんです。稲垣さんのおかげで」
山瀬「人生変えてるんだ」
稲垣「あら嬉しいですそれは」
有馬「でね、日本代表でプレーした今のね20代で日本代表でアメリカンフットボール選手としてプレーしてる子たちも、アイシールドで始めたって子たちもいるわけで。稲垣さんがこの競技人口増やしたから、日本は今、世界で2位とか、世界で優勝することもあるんですよ、世界選手権で。で、アメリカには勝てなくて2位なんですけど。そこまで来てるって言えるわけですよ」
稲垣「僕アメフト協会の人に飯ぐらい奢ってもらってもいいっすねこれね」
有馬「ほんとそうですよね(笑)」
山瀬「ほんとだね」

有馬「それほど影響力が高かったですよ。そもそもアイシールドって分かります?何だか」
山瀬「セナくんがやってる、目隠しのやつ」
有馬「そう、ヘルメットのフェイスガードっていうのが前にあるんですけど、その格子状になっている金属のところの目のところ、いわゆるバイザーみたいな感じでね」
山瀬「サンバイザー!」
有馬「みたいな感じで目を隠してちょっとカッコつけるみたいな(笑)」
稲垣「あれほんとは今禁止なんですよね?」
有馬「透明のやつは着けても良いんですよ。で、セナくんは色つきのやつを着けてて、昔はみんな色つきの、黒とか黄色とか青のアイシールドを着けてたんですけども。何で今透明じゃないといけないかっていうと、怪我をしたときに瞳孔をチェックしたりドクターが見たりするじゃないですか。そのときに色がついてると見えなくなるので禁止になってるんですけど」
稲垣「そうですね、これを描いてるときに僕そのことに気が付きましてですね、やべえな!って思って理屈をつけるために、確か作中で何か眼精疲労って設定を無理矢理ねじ込んですが、残念ながら、現在は眼精疲労でもダメだったような気がしますね」
有馬「ちゃんと説明してるんだって思って(笑)『協会にも申請してある』ってセリフがあるんですよ」
稲垣「(笑)」
有馬「結構律儀で細かいかたなんだなと思って」
稲垣「ただちょっとこれ面白い話なんですけど、北海道のアメフト協会かな?ちょっと分かんないんですけども、一時『背番号21の選手に限りアイシールドをしてもいい』っていうルールがあったらしいです」
山瀬「えー!それって!」
稲垣「サービスで作ってくれたみたいです」
有馬「ルール変えちゃった(笑)」
稲垣「ちょっとこれ間違ってたらごめんなさい」
有馬「でも21番つけて、アイシールドもヘルメットに装着して、ってしたい選手はたくさんいました」
山瀬「そりゃそうだよね。だってこれに憧れて入ってるんだから」
有馬「そうそうそう。あとはその21を着けるとちょっと恥ずかしいっていうのもあって」
稲垣「(笑)」
山瀬「あからさまで?」
有馬「うん。アイシールドだって言われるから(笑)。22とか」
山瀬「ちょっとズレてんだ!(笑)」
有馬「だからほんとに22とか20とか23とかが流行ったんですよ、背番号。その頃。だから社会人リーグで活躍してる若い選手は20番大好きですよ」
稲垣「ありがとうございます」
有馬「それまではね、一桁とかが好きな人が多かったんですけど。20番代ってその主人公と同じランニングバックとか、ボールを持って走るのが専門のポジションが着けたりするのが多いんですけど、それ以外のポジションでも20番代着けたがる選手多くなりましたから」
稲垣「そうなんですか。ちょっと嬉しいです」

有馬「ほんと、おそらくラジオを聞いてくださってる方々も、アイシールドドンピシャ世代っていうかたが多いと思うんですね。でメッセージもたくさんいただいてて、やっぱりみんな、聞きたいのは、原作者、漫画家じゃなくて原作者っていう仕事が一体どういうものなのかっていうことと、おそらく稲垣さん自身も漫画描いてるじゃないですか」
稲垣「昔、絵まで描いてました」
有馬「で、原作のときもある程度まで絵を描れる?」
稲垣「そうですね。えーとネームっていう専門用語なんですけども、映画における絵コンテのような簡単な絵を切ったものがありまして、漫画の計画書みたいなやつですね。そこまで描くのが僕の仕事ということになっております」
有馬「それを見て作画をするかたが描くと。アイシールドの場合は村田雄介さん。村田雄介さんの絵がやっぱり凄くて。漫画詳しい方はご存知と思いますけど、今、ワンパンマン……アンパンマンじゃないよ。ワンパンマンっていうのはとなりのヤングジャンプで、最初は凄いヒョロヒョロのなんか4コマ漫画みたいな作画で始まったのが、リメイクしたときに村田雄介さんが作画をされて、むちゃくちゃ格好良い絵になって、大人気になったんですよね。テレビもやってアニメ化されて」
稲垣「村田くんは何描いても上手いんですけど、特に動きが抜群に上手い作家さんで。僕はもう漫画界1位だと信じてるんですけど、動きに限れば。アイシールドのときもやっぱりアメフトの動きを、僕がこういうの描いて下さいってやると、凄い絵が入ってきてて。凄い嬉しかったですねそれは」
有馬「試すわけですか?アメフトを描く人ってあんまりいないから、誰かかけるかなって不安は最初あったんじゃないですか?」
稲垣「最初にちょっと作画のコンペみたいなのはありましたね。村田くんが抜群に上手くて、もう他のチョイスはなかったみたいな感じですね」
山瀬「村田さんもアメフト好きだったのかな?」
稲垣「いや全く興味もなかったはずですね」
山瀬「じゃあそっから勉強して」
稲垣「そうですね。コンペで色んな新人さんに絵を出して貰ったんですけど、僕のところに担当編集のかたが持ってきて、どのかたが良いと思いますか?みたいなことを訊くのかと思ったら、目の前に並べるのと同時に『まあ村田くんですよね』って言われて。いやちょっと見せてくださいよ!みたいな感じで見たんですけど、いやもう圧倒的でしたね当時から。村田くんだけが防具の中の細部まで全部描いてきたんですね。普通この漫画で絵を描いてって言われたら、アメフトのシーンとかを軽く描いたりするじゃないですか普通に考えて。でも村田くんは全部分解して、中のここにヒモを通して、とかも全部」
山瀬「凄いね……!」
稲垣「なんの知識もなかったのにそこまで描いてきてて、この人はそういうことが出来る人なんだな、ってもう議論の余地がなかったですね」
有馬「凄く絵が綺麗だって評価もありましたし、そのアメフトのスピード感とかパワフル感を出すのに物凄く工夫をされてますよね。あとちょっとね、ヒル魔っていうぶっ飛んだキャラクターがいるんですけど、ライフル撃つんですよ。実際はね、ダメなんだけどもちろん(笑)ライフルを、ライフルみたいなのを撃ったりとか。あと栗田っていう大きなキャラクター」
山瀬「かわいいねぇ~」
有馬「可愛いね、一番良い奴なんですよ。実際ね栗田がいないとこの漫画成り立たないんですけども」
稲垣「成り立たないですね(笑)」
有馬「人を集めてくれて、チームをまとめてくれるんですけれど。縁の下の力持ち。その表現も凄く出来ていますよね」
稲垣「そうですね。デフォルメが効いた特徴が効いた絵を描いてくださって。なんせ試合中ヘルメット被っちゃうので、そうすると髪型で区別できなくなっちゃうんですよね。だからよっぽどシルエットに特徴がないと分かりづらくなっちゃうので」
山瀬「そっかー。でもそのせいなのか、そのおかげなのか、1人1人すごいキャラが個性的で際立ってるから」
稲垣「そうですね。村田くんは大変だったと思いますけどデザインが」

有馬「でもほんとアイシールド見て、アメフト=アイシールドっていう代名詞になってましたから。今でもね現役世代、社会人でもアイシールド世代大活躍中でございますが。あともう1つ質問で多いのは、やっぱり原作者にどうやったらなれるんですか?みたいな、漫画家になるのとは違う入りかたがあったんですか、っていう質問が多く来てますね」
稲垣「原作賞っていうのを今各社結構やっているので、それに出すのが一番手っ取り早いんじゃないかと思いますね。あと原作っていくつかパターンがあって、主に文章だけで書くかたと、さっきも申し上げましたけどネームっていう絵コンテまで切る原作者2種類あって、僕は後者の絵コンテまで切るほうなんですけど、多分こっちのほうが入りやすいですね。文章だけだとそもそも受け付けてないっていう出版社も多いので」
有馬「で、作画はどういう作画者に作品となる時に出会うかっていうとこで変わってきますよね?」
稲垣「そうですね。まぁまぁその辺も原作者の仕事になると僕は思ってて、作画の人に合わせてネームを切るっていうことに最終的にはなります」
有馬「でも稲垣さんの場合は、結構最初の方にヒット作出しちゃったなって感じは」
稲垣「最初の連載でありがたかったですね、アイシールドは」
有馬「そういう人あんまりいないんじゃないですか?」
稲垣「そんなことないと思いますけど(笑)。ジャンプは若い作家さんが多いので、一発目からどかーんと当てるかたもいますね。もちろん最初はいまいちで次の作品が人気出てみたいなかたもいらっしゃいますけど、結構いきなりってかたもいらっしゃいます」

有馬「僕なんかは、しばらくアイシールドのあとあんまり描いてなかったんじゃなかったかなって印象が……」
稲垣「あーサボってました!」
有馬「稲垣さんの作品をアイシールドのあと探したんですよ。でも出てこなくて」
稲垣「はい。それは、理由は、書いてないからです!」
山瀬「そりゃ出ないよ(笑)」
有馬「ちょっとサボってました?(笑)」
稲垣「あのー、これもちょっと僕の話になって申し訳ないんですけど、連載が終わる直前ぐらいに、同じく大型連載が終わった他の作家さんに『終わると一安心するけど、もう3ヶ月ぐらいしたら書きたくて書きたくてしょうがなくなるよ』みたいなこと言われて。あーやっぱ漫画家ってそういうもんだよなって僕は思ってて、『僕も連載終わったら3ヶ月できっと書きたくなるんだろうな、ワーカーホリックだし』みたいなことを思ってたんですよ。連載終わって3ヶ月経ったんですけど、全く描く気にならなかったんですよ!!」
山瀬「(笑)分かる~!」
稲垣「このまま永遠にサボりたいなって思いました」
山瀬「分かる。私舞台やったとき同じこと言われてた。『すぐやりたくなるよ』つったけど全然なんなかった!1回もなったことないよ!(笑)」
稲垣「多分ね、なる人の方がおかしいんですよ!!休めるなら休みたい!(笑)」
山瀬「そうですよね~!」
有馬「どんぐらい休んだんですか?」
稲垣「ななねん……。7年休みました」
山瀬「7年!?」
稲垣「ゲームばっかやってました」
山瀬「すごーい」
有馬「ドラクエ好きだから(笑)」
稲垣「ドラクエばっかやってました。あの、段々奥さんの目がね、冷たくなってくるんです。最初終わって1年ぐらいは、『あなたも7年も連載したんだから当然休むわよね?:みたいな感じで優しい感じで受け止めて貰えるんですけれど、3年目あたりから様子がおかしくなってきてですね、5年目くらいからはどうも僕の知らないところで周りの人間に『うちの旦那ほんと働かない』みたいにずっと愚痴ってたらしいですね」
山瀬「よくそんな何年も耐えたと思います」
有馬「そうですよね。奥さんからしたらもう」
山瀬「毎日いるわけでしょ!よく耐えたよ!(笑)」
稲垣「このラジオも聞いてると思うんですけども。聞いてる?聞いてる?」


有馬「さっき言ってた音源が準備できましたかね。原作のほうには出てこないんですけれど、テレビアニメのほうに僕が有馬隼人が2話だけ登場させていただいたんです。有馬隼人という役名で、私が声を務めたシーンが。ございますか?ではちょっとお願いします」

2006年2月15日放送 アニメアイシールド21 45話「ゴースト封印!?」の一部だと思います(未確認)

有馬「これ僕の声です(笑)」
稲垣「爽やかですね」
山瀬「なんか声違くない?」
有馬「もう若いもんこのとき」
山瀬「10年ぐらい前でこんなに声変わるんだ」
有馬「こんとき28歳とか29歳とかかな」
山瀬「もうちょっとピュアだった頃?」
有馬「うん」
稲垣「(笑)なんか今はピュアじゃないみたいに言ってますけど」
山瀬「だいぶ黒いんですよ(笑)」
有馬「相当ピュアだけどね。僕をピュアと言わなきゃ誰がピュアなのか」
山瀬「ほら出てくるでしょ」
稲垣「もうこの時点で黒いですね(笑)」

山瀬「ヘタじゃないよ!」
有馬「いやヘタだよ。これをね?もう超うまい声優さんに囲まれて、渋谷のスタジオで撮ったんですよ。もう冷や汗かきまくって。人生で恥をかくってこういうことなんだって思った」
山瀬「そう?全然ヘタじゃないよ」
有馬「ほんと?」
山瀬「上手じゃないけど」
有馬「(笑)全然褒めてないじゃないすか!えー今朝のゲストは人気アメフト漫画アイシールド21の原作者、稲垣理一郎さんに来ていただいています。お話の続きこのあと聞いていきたいと思います」


CM


有馬「では引き続き、漫画家・漫画原作者稲垣理一郎さんとお話の続き伺っていきます。よろしくお願いします」
稲垣「よろしくお願いします」

有馬「たくさんメッセージをね、リスナーのかたから頂いてる中で、1つ紹介したいのが、長いメッセージ頂いているんですが抜粋させていただいて(個人情報なので省略)『今回はよく読み返している28巻について質問したいと思います』」
山瀬「強い!」
稲垣「分からないですね、どこだろ!?」
有馬「『28巻では、西部ワイルドガンマンズの選手であるキッドが白秋ダイナソーズの峨王力哉に骨を折られてしまいます』」
稲垣「あーそのあたりか!」
有馬「『そこで質問があります。骨を折らせるという展開は最初からこうしようと決めていたのでしょうか?なぜ、骨が折れるのはキッドと選んだんでしょうか?』」
稲垣「(笑) このアイシールド21という漫画に関しては、あの内容は実はほぼ連載立ち上げの時点で最後まで決まってましたね。だからこのキッドが、めちゃくちゃ筋力の高い敵チームの峨王っていうやつにぶっ飛ばされて、骨が折れるというちょっと残忍なシーンがあるんですが、その展開もキッドというキャラができた時点で、『こいつは最後折られて退場する』ってとこまで決まってましたね」
有馬「7~8年間の連載があった中で、最後がもう見えていたんですか?」
稲垣「大まかにですけど。細かいことは毎週変わりますけど」
有馬「結構その全然先を考えてない漫画家さん多いって聞きますけどね」
稲垣「そうですね、そっちのパターンのほうが多いと思いますね(笑)」
有馬「よくかけるなと思いまして。それが才能なんでしょうけど」
稲垣「でもそっちのほうが面白くなるんじゃないかなぁと、ノリでかけるので。でもアイシールド21のときは、アメフトって時間コントロールが重要じゃないですか。残り3分だからこうするみたいなのが。そういうスポーツの場合って最初に展開全部決めておかないと、例えば残り1分で50点差とかなったらどんな漫画的奇跡が起きても、これちょっと逆転無理じゃないですか。アメフト知ってるかたは分かると思うんですけど。そこで『漫画だからいいや』みたいにして、1分で50点差逆転したぜー!ってするとたちまち嘘臭くなってしまうんで。最初に全部決めておかないとダメだったっていう、やむにやまれぬ感じでした」

有馬「稲垣さん多分どこか律儀で真面目なね」
山瀬「そうですよね、お話を聞いてて思う」
有馬「だからドラクエも何年もやり続けるっていう……」
山瀬「律儀に?(笑)」
有馬「あれらしいですよ。稲垣さんの名前をインターネットで調べると、アイシールドよりもドラクエのほうが上に来ちゃうぐらいの」
稲垣「来ちゃうぐらいの。ほんとにそうだったかは覚えてないんですけど(笑)それぐらいの感じになってましたね」

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2017年12月23日の検索結果です。アイシールドがむしろ無い。


有馬「はい。えー、そんな稲垣さんも仕事をしています(笑)」
稲垣「それ当たり前のこと!(笑)」
有馬「次のトークテーマは『稲垣理一郎さんと漫画Dr.STONEと』ということで、今年3月から週刊少年ジャンプ連載Dr.STONEの原作を担当されています。今回作画はBoichi先生ですね。こちらついに始まりましたね」
稲垣「始まってしまいましたね。7年間サボってたんですけど、まぁ色々ありまして描くことになりました。ありがとうございます」

有馬「Dr.STONEの魅力っていうのは。魅力ってご自身でおっしゃるのは難しいと思いますけど、何を描きたかったのかっていうのはあります?」
稲垣「僕これ話し出すと長くなっちゃいますけど良いですか?最初に登場人物たちっていうか地球上の生物全部石化しちゃうっていう、結構とんでもないシーンから始まるんですけども。その石化した中でも出来ることをやろうって地道に何千年間も数を数え続けて暦を失わないようにするっていうのが主人公なんです。それが第一話なんですけども。そういう地道な努力みたいなのを凄い書きたかったんですよね」
有馬「結構ね、重いんですよね。重いって、良い意味でよ?凄く考えさせられるっていうか、あの、どこにこの先活路を見出していくのか、葛藤がありますよね」
稲垣「そうですね。基本的に科学の漫画なので、科学文明を全て失ってしまった人類が大自然の中から1からまた復興できるのかっていうのをやっているので、あんまり嘘がつけないんですよね」
有馬「なんかね、正直、何がこのストーリーの真ん中にあって、どれがどう進めばゴールっていうのが分からないんですよ」
稲垣「一応、科学の復興みたいなのが主軸にはなってるんですけど(笑)」
有馬「そう。そう、だからね、私もまだ少ししか読ませていただいてないんですけど、ちょっとね、稲垣さんしかまた描けないような世界に持っていかれるんじゃないかなと」
山瀬「うん。7年間ドラクエやってこんな凄いこと考えてたんだ」
稲垣「全然考えてなかった、ですね」
有馬「考えてなかったじゃん!(笑)今さすが7年温めただけあるなぁっていう話の流れ」
山瀬「あるよねってね、展開だったのに」
稲垣「7年考えてました!」
山瀬「おせーよ(笑)」
稲垣「(笑)」
有馬「(笑)ではこのDr.STONEですけどね。えー現在週刊少年ジャンプ連載中ということで。単行本は3巻まで発売中でございます。お近くの書店かインターネットでお求めていただきたいと思います。そして、稲垣さん原作のアイシールド21は集英社ジャンプコミックス全37巻、現在発売中でございます。アニメのDVDなんですが、バンダイビジュアルより発売中ということでございます」

有馬「えーでは最後に、お仕事再開されたっていうのもありますし、漫画読んでくださるかただとかラジオを聞いてくださってるかたにメッセージお願いします」
稲垣「はい。えー、あの、まぁなんか宣伝みたいになっちゃんですけど。今描かせていただいてるDr.STONEという漫画、週刊少年ジャンプという雑誌で、今まさに連載中なのでご覧になっていただければと思います。特に科学的なのが好きなかたにはドンピシャだと思うので、ぜひよろしくお願いします。」
有馬「今朝は漫画家・漫画原作者としてご活躍中の稲垣理一郎さんにお越しいただきました。本日はどうもありがとうございました」
山瀬「ありがとうございました」
稲垣「ありがとうございました」